それを解決というのだろうか
「カルト対策」と引くと、結構な数の警告サイトや、脱出支援サイトが出てくる。
2014年頃から当事業所へもその手の相談が増えてきたことを考えると、そのような世の中なのかなとも思う。
ところで、これらのサイトの特徴として「相談、解決、無料」といううちでは真似のできない文言が掲載されている。
2017年頃に、これらの団体に相談され、親族の方がカルト的な自己啓発団体から抜け出せたという話を聞いた。
それだけであればうちの出る幕はないのだが調査主任によれば「脱出に協力してくれた団体について調べて欲しい」という不思議な相談が・・・。
なんでも「自己啓発団体はやめたのですが、宗教熱心になってしまって」ということで。
別に宗教を否定する必要もないのだが、どうも(ご親族から見ると)「頼る対象が変わっただけ」のように見えるとのこと。
さもありなん。これらの脱出団体は基本的に宗教団体が信仰にもとづいて社会奉仕活動の一貫としてやっているのだから、もともとの依存心が強いなら、そちらにいくのは無理もない。
解決事例の1つとして以前はこの方の話が載っていたそうなのだが、これを解決というのかは私としては少し疑問が残る。
(啓発団体にいた)本人にとっては確かに状況は改善しただろう(と思いたい)。
しかし、実際に解決を望んだのは親族であって本人ではない。
少なくとも事業者とクライアントの関係で考えればあり得ない。
とはいえ、うちももそれについては「どうしたものですかねぇ」としかいいようがなかった。
確かにボランティア精神は尊いことであるし、宗教団体の方が使命感をもってされていることは分かる。しかし、そこに依存感情が転写しただけならそれを解決というのだろうかはやはり疑問が残る。
とはいえ、うちに頼めば安くはない調査費用が発生する。
こういった問題について、今後考えていきたいと思う次第である。
- [2022/05/19 21:27]
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